2ちゃんねる ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50    

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

中学の時に受けたイジメを面白おかしく書く

1 :イッチ:2023/03/24(金) 07:33:48.62
こんな朝っぱらから人集まらんよな

2 :イッチ:2023/03/24(金) 07:35:29.29
書き貯めてるから1時なったら投下する

3 :イッチ:2023/03/24(金) 07:35:41.74
とりあえず題名だけ

4 :イッチ:2023/03/24(金) 07:35:59.43
【ノンフィクション】中学の時イジメられてたと思ってたが今思い返してみると完全にヤバいやつvsヤバいやつだった件

5 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 09:46:27.42 ID:cDtnjL0wI
時間早すぎやろ

6 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 09:57:15.91 ID:cDtnjL0wI
メ欄なんや

7 :イッチ:2023/03/24(金) 09:57:31.40
メ欄は「非存在」の意

8 :イッチ:2023/03/24(金) 10:01:51.01
こうしろってことか

9 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 10:02:58.01 ID:cDtnjL0wI
まぁ非存在やったら別にええけどな

10 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 10:08:07.75 ID:cDtnjL0wI
>>1 いつになったら書く

11 :イッチ:2023/03/24(金) 10:10:21.35
>>10 1時くらい。でも平日の昼間に誰も来ねぇよな。

12 :イッチ:2023/03/24(金) 12:54:10.49
一応1時なったんで投下

13 :イッチ:2023/03/24(金) 12:55:56.27
中学の時イジメられてたと思ってたが今思い返してみると完全にヤバいやつvsヤバいやつだった件

その1

きっかけは些細なことだった。
いつものように美術部を抜け出してt山とs川に挟まれた細い通学路を降りていた時、
「あっぱれやのー!!」と山の斜面から威勢のいい声が聞こえた。
声の主は1年の野球坊主3人の内リーダーらしい、一番声とガタイのデカいやつだった。
あっぱれというのは僕が扇子を仰いでいたからだろう。
続いて「何部や!!」と問われた。
時期的には生ぬるい風の吹く6月、放課後が始まって10分内で僕にしても3人の野球坊主にしても部活をサボったことは自明だった。
僕は答える代わりにトイレで着替えた部活Tシャツのロゴを引っ張って見せた。
アートクラブ。「陰キャやんけ!!」そう聞こえた、気がした。
聞こえたのを認識する前に僕の中指が天を刺していたのだ。

14 :イッチ:2023/03/24(金) 12:56:26.06
こんなのがその11まである。夜また人が来たら続き投下する。

15 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 17:31:05.63 ID:JIKy4L4JH
全部連投して読ませろや。
1個の内容がちょっとづつしか進まんからいらつく

16 :イッチ:2023/03/24(金) 17:51:42.43
じゃ、起承転結の”起承”くらいまで上げるか

17 :イッチ:2023/03/24(金) 17:52:43.95
その2

一瞬の沈黙。
3人が口々に途切れ途切れの単語を発し始める。
「おいッ!!」「アイツッ!!」「分かっとんか!!」
そしてーー「アイツ、行くぞ!!」全ての単語は同じ意味を指していた。
つまりこれから僕はこの3人に殴るなり蹴るなりの仕打ちを受けるということだ。
それを察した僕は踵を返して颯爽と歩き始めた。
今なら言える。ーーなぜ走らない!!!!一瞬にして僕は囲まれてしまった。
「お前分かっとんな?」胸倉を捻りあげられた。
瞬間ーーー「お前ら!」振り返るとそこにはkがいた。
kは小学校の時よく一緒に遊んだなじみだ。野球部に入ってデカかったガタイが更にデカくなっていた。
結局その日はkが追い払ってくれた。どうやら野球部という場所はガタイと声のデカい奴が即ち、偉いらしい。
その日の全ての言動において拙かった僕はkにお礼を言うこともできなかった。
自分の非を認めたくなかったからだ。僕はそのままの流れで家路へと歩き始めた。
この時はこれで全ての問題が済んだと思っていた。
しかし地獄はここからだった。

18 :イッチ:2023/03/24(金) 17:54:13.97
その3

後日。僕は見事なまでに全く同じ過ちを繰り返した。
帰路で奴らに遭った。しかも全く同じ場所で。
僕はそのまま颯爽と横切ったのだが一瞬にして3人に囲まれてしまった。
また胸倉をひねり上げられた。しかし奴らは殴ってこなかった。
なぜなら僕は美術部で鉛筆を削るために買った100均のデザインナイフをそいつの顔面に向けていたからだ。
「僕も刺したくはないが君たちが乱暴をすると僕の右手が暴れちゃうかもしれないよ」そう言った。
ーー痛い。今思い出してみると僕は絶望的に痛いチー牛陰キャだった。
「お前!!警察言うぞ!!」今思うと妥当な発言だろう。
結局その日は暴言を吐かれながら返してもらった。
しかしこれを皮切りに僕の心の凪は吹きすさぶ夏風に凌辱されてゆくのだった。

19 :イッチ:2023/03/24(金) 17:54:48.25
反応ないとつまんないな。やっぱりもうちょい夜になってから上げるべきかな。

20 :イッチ:2023/03/24(金) 17:56:36.00
その4

色々あった。勿論帰路は遠回りにはなるが奴らと出会いにくそうな道に変えた。
家がばれないように尾行もチェックした。
が、道で遭う度に暴言と足蹴。僕は逃げ足が速かったので大抵足蹴は最初の一発がすれ違いざまに当たるくらいだった。
しかし精神的にはかなりのダメージだった。休日も心が休まらなかった。
常にフードを深くかぶって背後を警戒していた。
家族に何をしているのかと聞かれると決まってカゲプロのモモ見たいでカッコイイだろ、といった。
カゲプロの分からない家族は特殊性中二病患者の末期症状と理解してくれた。
もう学校で落ち着ける事は出来なくなった。常にヤツらの目を気にしていた。
昼ご飯は運動場で遊ぶガタイと声のデカい奴から見えないように女子自転車置き場の倉庫や教室にあるモニターの後ろでなんかで食事を済ました。
1年の教室と同じフロアに行かなければならない移動教室の美術・音楽では常に顔を伏せて友人の後ろに隠れていた。
今思うと当時から相当髪の長かった僕じゃ目立たないように隠れるなど土台ムリな話だろう。
そして当時の僕は一体全体何を思っていたのか、武装にも力を入れた。

21 :イッチ:2023/03/24(金) 17:59:08.10
その5

学校にエアガンを持って行ったこともある。
コルトパイソンとM29とデリンジャーとベレッタのどれが携帯するのにいいかを真剣に考えた。
僕に触発されてエアガンを持ってきた結果、担任に見つかったf君には未だに申し訳ないと思っている。
(ルールとモラルを尊ぶ健全なガンマニにも本当に申し訳ない。)
f君がヘマを犯したことで問題も浮き彫りになった。
そう、デリンジャー以外の一般的なハンドガンは携帯するのには大きすぎるのだ。
(ルールとモラルを尊ぶ健全なガンマニアはエアガンを携帯なんてしない。)
結局f君との会議の結果デリンジャーが携帯するのに一番良いだろうという結論に達した。
しかしデリンジャーはいかんせん中学生には高価すぎるのだ。
当時から密林を使いこなしていた僕だがこれまでの購入品の最高額は英世3匹で
デリンジャーは諭吉1匹と樋口2匹を生贄にしなければ召喚できない代物だった。
そして僕は自分の中の1つの特殊解に辿り着いた。
そうだ、ないならつくればいいじゃないか!
試行錯誤の結果、出来た。というより出来てしまった。
この時の僕はこれが更なる不幸を招くとは思いもしなかった。

22 :イッチ:2023/03/24(金) 17:59:55.07
起承転結の起承まで書いた。
あとは人が来たら書く。
やっぱり他人に発表するからには少しでもいいからリアクションが欲しい。

23 :イッチ:2023/03/24(金) 18:02:12.35
その6

100均で売っている火薬銃の弾薬を1つ1つ切り離したものを用意。
そして(自主規制)
詳しいつくり方は記さないが、ボールペンをノックしたら雷管が大きな音とともに破裂し
BB弾が飛んでいく、という仕組みだ。ーー良い子も悪い子も真似しちゃだめだぞ!!
初めて実験に成功したのは土砂降りの日だった。
視界も悪ければすぐ近くにいるfの声も雨音にかき消されてよく聞こえなかった。
僕とfは雨に火薬が濡れないように細心の注意を払いながら
t山の麓で恐る恐るペン型ソフトガンをノックした。
「パァン!」銃声が雨音を切り裂き銃口から勢い良く真っ白いバイオBB弾が飛び出した。
顔を見合わせ喚起する猿2匹。
パァン!!パァン!!夢中になって自前の超小型、対不良型BB弾を発射した。
(ルールとモラルと尊ぶ健全なガンマニアには本当に申し訳ない。)
そしてそれから約1週間後。
ついに磨いた技術の結晶を実戦で生かす時が来るのだった。

24 :イッチ:2023/03/24(金) 18:02:56.28
ごめんここまでで「承」だわ

25 :イッチ:2023/03/24(金) 18:05:18.10
その7

放課後。
「アイツや!!」相も変わらず少ないボキャブラリを見せつけながら
声とガタイのデカい坊主頭6、7人が信号機を横断して僕のテリトリーに急接近してくる。
誰が誰なんてどうでもよかったしそもそも分からなかった。
ただ1つ重要なのは捕まらないことだ。
夏休みという彼らと鉢合わせずに日常を享受できた楽園が終末を告げた今、再び奴らに捕まると何をされるか分からない。
僕は、当たり前だが逃げた。
もう颯爽と歩く余裕がないことは実証済みだ。
正確には逃げた、というより逃げ込んだ、排水溝に。
当時の僕の心境を考えればこれは当然の理だった。
「アイツどこや!!」「どこいった!!」「こん中ちゃう!!」「おるぞ!!」
後ろから国語辞典1ページ分の語彙力もない2語文が飛んでくる。
そして、ーー「アイツ行くぞ!!」ーーまさかと思った。
アイツらが僕のテリトリー(即ち排水溝の暗い蜘蛛の巣だらけのトンネルの中)に土足で侵入してきたのだ。

26 :イッチ:2023/03/24(金) 18:16:04.12
その8

僕は蜘蛛の巣をかき分け、口に入った蜘蛛を吐き出しながら暗いトンネルの中をがむしゃらに進んだ。
かがみ込みの姿勢だったので胸ポケットに刺していたペン型小型銃がつっかえた。
暫くがむしゃらに進んだところで奴らの拙い2語文は聞こえなくなった。
流石にあきらめたのかなと思い狭いトンネルに打ちつけて赤くなっているであろう体の節々を不器用に撫でた。
触った感触では全身ぐじゅぐじゅしたヘドロだらけだった。
ーー「このトンネルが暗くて深くて冷たい雨水の溜まった穴にでも続いていたらどうしよう。
そこに落ちてしまったら当分助けも来ずに抜け出せないまま
ぶよぶよの水死体になってしまうのだろうか」そんなことを考えながら胸ポケットに入っているペン型銃を抜き、
何も見えない暗闇で愛銃のぼうっとした輪郭を見た。
その刹那、一瞬にしていろんなことが起こった。
ーー「アイツ、おるぞ!!」下品な声がトンネルで反射して下品さを5割増しにして僕の鼓膜と警鐘を打ち鳴らした。
「ッッバアアアン」(轟音)ーー「キーーーーーン」(耳鳴り)「ペチッ」(BB弾)「ッ痛ってぇ!!」(下品)
後方の闇をめがけてペンをノックした瞬間、鼓膜が破れるかと思った。
が、そんなことはお構いなしにがむしゃらに前へ前へと進んだ。
やっと四角い排水溝のトンネルの前方に四角く縁どられた白い光が見えた。
出口は警察署の前のコンクリートの川の底に続いていた。
前日の雨が排水溝トンネルの出口に小さな水たまりを作っていてかなり青臭かった。
警察署の前で警察に見つからないように細心の注意を払いながら川のヘリについている梯子をよじ登った。
地上ではそんなことは到底思わなかったのだがどうやらこの排水溝は道路を貫通して道路の反対側に続いているらしかった。
僕の愛銃は主人の命令を忠実に守り暴漢から主人を守ったのだった。
そのことがちょっと誇らしかったと同時にやはり報復が怖かった。
実際この後の報復は今思い出しても怖いものだった。

27 :イッチ:2023/03/24(金) 18:19:19.85
注意:当時のワイのモラルと知識では人に向けてBB弾を撃ってはいけないとか、
火薬銃を改造してはいけないとか、エアガンを携帯してはいけないとか考えられなかったし、
そんな精神状態ではなかった。
しかし、罪を犯したことに間違いはないことを認めてここに謝罪する。

まともなガンマニアはわざわざただでさえ厳しい規制がさらに厳しくなるようなことはしない。

28 :イッチ:2023/03/24(金) 18:21:39.99
だぁれもこん。やっぱ時間か?
もうちょい待つわ。
8時にまた来る。

29 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 19:05:03.88 ID:JIKy4L4JH
排水溝ってどのくらいの広さ?
ただ道路の下を通ってるだけ?
BB弾を結局いじめっこに当てたのか当てないのか?
もうすこし作文うまくなれw

30 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/24(金) 19:05:40.55 ID:JIKy4L4JH
改造してBB弾の初速を速くすればいいのにw

31 :キャップ ◆P8yBBCRk/qqI:2023/03/24(金) 20:03:51.31 ID:O4Grbx++a
>>1さんは今はおいくつなんですか?

32 :イッチ:2023/03/24(金) 20:28:24.09
>>29
ギリ人一人が入れるくらい
当たったかは知らん
道路を斜めに横断してた

33 :イッチ:2023/03/24(金) 20:29:25.57
>>32ノンフィクションだから情報集めたら推測できる

34 :イッチ:2023/03/24(金) 20:30:00.17
安価間違えた。>>31ノンフィクションだから情報集めたら推測できる

35 :イッチ:2023/03/24(金) 20:31:30.58
その9

ドロんこだったのでなるべく人道りの少ない道を採って帰った。
だから遅くなった。家の前にある庭の水やり用のシャワーで全身を洗って、
洗車用のボロボロの旅館タオルで水とヘドロをふき取れるだけふき取った。
ーー「僕くん!」声がした。背後にはhくんがいた。
僕はhくんの兄の友人として、hくんとはちょっとだけ喋ったことがあった。

学校を遅刻するときは大抵コイツと出くわす。
特に悪い印象も無ければいい印象も無いやつだった。
それにしても小学6年生に見合わずガタイのデカい奴だな。「どした?」
ーーーー「僕くん、下水道に逃げ込んだんだって?」一瞬にして僕は石になった。
なぜ彼が知っている?「どうしてーー」「hgくんが言ってた」hくんはそう答えた。
そうか、あん畜生のボスの名前はhgというのか。お前にしては贅沢な名前だな。
僕の心がハカを踊り始めたのをhくんは知る由もなかった。
ーー「ホント、かわいそうだね僕くん、あのクソやろには気をつけろよ」
それだけ言い残してhくんは去っていった。残された僕の石化魔法が解けるのはそれから約10分後だった。
小学生に慰められる自分がふがいなかった。小学生に対して確かに安心感を感じてしまった自分が情けなかった。
中1相手にここまで精神を翻弄されている自分にやるせなさを感じた。
それ以上に何もしていない自分がこんな思いをしなければいけないことが、ひたすらに悔しかった。
hgを憎んだ。自分を憎んだ。

ーー翌日。「リーチマイケルや!!」僕のあだ名がリーチマイケルになっていた。

36 :イッチ:2023/03/24(金) 20:33:53.16
その10

当時はラグビーワールドカップが日本で開催されていた。
このことはラグビーがどんなスポーツかイメージすら出来なかった自分でも知っていた。
hくんによるとリーチマイケル、というのは僕が排水溝に逃げ込んだ姿が
リーチマイケル選手のようだったからついたあだ名らしかった。どこがだよ。
幼稚な発想だな、hg。そのあだ名は1年生の間で瞬く間に広まった、らしかった。
というのも当時気になっていた子が珍しく下校中に話しかけてくれた時だ。
「リーチマイケル!!」サッカー部から声がした。サッカー部は安全圏だと思っていた。
僕は、逃げた。信号のない道路でクラクションを鳴らされながら全速力で横断して
ひたすら逃げた。その場の誰からものけ者にされている感じがした。
彼女の前でイジメられたくなかったし、もし彼女もイジメの対象になったら、
と思うと申し訳ないが逃げるしかなかった。早くその場から消えてしまいたかったので
持てる最大限の力を出力して全速力で逃げた。あの時ダンプカーに引かれなかったのは
幸運としか言いようがない。敵は今や野球部のみにかかわらず
1年生の運動部の男子ほぼ全員になっていた。過激派のやつらは暴行をする。
中立派のやつらは暴言を吐く。穏便派のやつらでさえ僕を見つけるなり「リーチマイケルや!!」
と大声で呼びやがる。そうすると中立派と過激派が群がってくるという仕組みだ。
自分で手を出さない分過激派よりたちが悪い。こんな日がしばらく続いた。
しかし、実をいうと最初の頃からーーデザインナイフをhg野郎の顔面に突き付けた翌日からーー
先生にはチクっていた。後で大事になるより早いうちから告訴して、
問題の芽は地面ごとはぎとっておいた方がいいと思っていたからだ。
でも流石に親には言えなかったが。しかし、教職員側は真面目に取り扱ってくれなかった。
だからもう一度控訴した。排水溝に追いまわされた実績付きで。不服申し立てをした翌日の昼休みのことだった。
「僕君。昼、用具室へ。」

37 :イッチ:2023/03/24(金) 20:36:08.00
その11

結局、真面目に取り扱ってくれたのは国語科の先生だった。
今でも相当感謝している。排水溝事件で節々が痛む体を狭い用具室に肩身の狭い思いをしながらねじこんだ。
僕の中学校は先生に関しては申し分なかったと思う。ありがたいことに優しい先生ばかりだった。
でも不思議なもので先生と話をしている時間は辛かった。正直イジメのことなんて話したくなかったからだ。
自分はあの時泣いていたのだろうか。結局先生が言うにはhg主犯は最初は犯行を否認していたが、
証拠がそろうにつれ犯行を是認して校長室に連行されたらしい。僕も火薬銃のことは「知らない」で通した。
デザインナイフの件は火薬銃と違い3人の前で見せびらかしてしまった手前、否認できなかった。
「そのことに関してはこちら側にも不備があったと思います。焦ってとんでもないことをしてしまいました。
hg君にも誤っていただければ幸いです」震える声でそういった。我ながら大人な対応じゃないか。
思えば僕が低俗なーー中指や暴言ーーを慎んだのもこの時からだ。あと、一人称が「僕」に変わったのもこの時からだった。
それにこの事件をきっかけに1年生の時に若干自分がイジメに加担してしまっていたt君にも僕はちゃんと面と向かって誤りに行った記憶がある。
こういう辛い経験を超えることで人間は成長するのかな。しらんけど。
チャイムが鳴ったことは全然感じなかったが用具室を出たときには既に教室から授業の声がしていた。
まだ夏のにおいが残る青い秋空を眺めながら僕はこれまでの戦いの日々を振り返った。
振り返ると同時にまた泣きそうになった。情けない。
快勝とはいえないがこれで針山にまち針を差し込むような緊張感と不安感と突如迫りくる緊迫感から
永遠に解放されるのだと思うと心地よい爽快感を感じた。
次の授業くらいはトイレで時間を潰してサボろう。顔が整ったら何食わぬ顔で教室に入ればいい。
そう思うとまだ生ぬるい風が心地よく僕の長い前髪を揺らした。

しかし、その後不良と化したhくんに詰められるのはまた別のお話。

38 :イッチ:2023/03/24(金) 20:36:46.50
頭からつま先までノンフィクションです。

39 :イッチ:2023/03/24(金) 20:42:02.96
最後に感想でもいうかな。

長い間目を背けていた「黒歴史」を直視することで自分の当時の心境が生々しくよみがえったと共に
「あれがあってこそ成長した部分もあるのかもしれない」と前向きに振り返ることもできた。
これが初めての2ちゃんへの怪文章投下なんで色々拙いとこもあったかもな。うん。以上。

40 :イッチ:2023/03/24(金) 20:58:55.80
後日談だけど先生は「hgに直接誤ってもらうか?でも会わんほうがいいやろ?会いたくないやろ?」
って図ってくれたからhgが校長室に連行されたってことしか聞いてないけど
あの後の1年間はわりかし平穏に暮らせた。少なくとも「リーチマイケル」は禁句になったから学校では言われなくなったし、
hgもなんか大人しくなって今度は逆に僕を見て見ぬふりして避けるようになった。
その方が何倍もありがたかった。卒業することにはもう誰からも「リーチマイケル」って呼ばれることはなくなった。

41 :イッチ:2023/03/24(金) 20:59:29.55
メシクウ

42 :イッチ:2023/03/24(金) 22:29:52.85
定期的にここにきてカキコあったら返事する。

43 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/25(土) 09:16:18.26 ID:sE7SJr6Us
おけ

44 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/25(土) 20:58:08.11 ID:gtDg6NArb
小学のときもいじめられてたの

45 :イッチ:2023/03/25(土) 21:23:34.01
>>44小学校は僕の楽園だった。あの時ほど1年を通して充実していた日々はない。

46 :以下、名無しにかわりましてVIPが実況します:2023/03/26(日) 16:38:38.33 ID:IJQnURDlv
教師に相談したらいじめを解決できた、っていう話やったな。
なんで1はいじめのひょうてきにされたん????

47 :イッチ:2023/03/26(日) 20:35:04.76
>>46そら、不良相手に中指たてたからや(自業自得)

48 :イッチ:2023/03/26(日) 20:36:57.71
誰だって耳元で蚊が羽音をたてたら叩き潰したくなる
誰だっていきり陰キャが目の前で中指たてたらイジメたくなる

49 :イッチ:2023/03/26(日) 20:38:07.46
一部文章に拙いとこ(悪文)あったから伝わらんかったんかな。

50 :イッチ:2023/03/26(日) 20:38:20.17
その1

きっかけは些細なことだった。
いつものように美術部を抜け出してt山とs川に挟まれた細い通学路を降りていた時、
「あっぱれやのー!!」と山の斜面から威勢のいい声が聞こえた。
振り返ると3人の坊主頭が僕を見てニヤニヤしていた。野球部の1年だ。
声の主は3人のリーダーらしい、一番声とガタイのデカいやつだった。
あっぱれというのは僕が扇子を仰いでいたからだろう。
続いて「何部や!!」と問われた。
生ぬるい春風の吹く6月。
放課後が始まって10分内で僕にしても3人の野球坊主にしても部活をサボったことは自明だった。
僕は答える代わりにトイレで着替えた部活Tシャツのロゴを引っ張って見せた。
アートクラブ。「陰キャやんけ!!」そう聞こえた、気がした。
聞こえたのを認識する前に僕の中指が天を刺していたのだ。

51 :イッチ:2023/03/26(日) 20:38:31.59
(訂正版

52 :イッチ:2023/03/26(日) 20:44:52.58
ってうかレス見る限り色々伝わらんかったらしいな。
悪いけど訂正版上げさせてもらう。
拙いな。

53 :イッチ:2023/03/26(日) 20:45:04.92
その2

一瞬の沈黙。
3人が口々に途切れ途切れの単語を発し始める。
「おいッ!!」「アイツッ!!」「分かっとんか!!」
そしてーー「アイツ、行くぞ!!」全ての単語は同じ意味を指していた。
つまりこれから僕はこの3人に殴るなり蹴るなりの仕打ちを受けるということだ。
それを察した僕は踵を返して颯爽と歩き始めた。
今なら言える。ーーなぜ走らない!!!!一瞬にして僕は囲まれてしまった。
「お前分かっとんな?」胸倉を捻りあげられた。
瞬間ーーー「お前ら!」振り返るとそこにはkがいた。
kは小学校の時よく一緒に遊んだなじみだ。野球部に入ってデカかったガタイが更にデカくなっていた。
結局その日はkが1年の不良野球坊主3人を追い払ってくれた。どうやら野球部という場所はガタイと声のデカい奴が即ち、偉いらしい。
ーーっていうか今思うとk、お前も部活サボってたんじゃないか?
その日の言動の全てにおいて拙かった僕はkにお礼を言うこともできなかった。
自分の非を認めたくなかったからだ。僕はそのままの流れで家路へと歩き始めた。
この時はこれで全ての問題が済んだと思っていた。
しかし地獄はここからだった。

54 :イッチ:2023/03/26(日) 20:45:23.00
その3

後日。僕は見事なまでに全く同じ過ちを繰り返した。
帰路で奴らに遭った。しかも全く同じ場所で。
僕はそのまま颯爽と横切ったのだが一瞬にして3人に囲まれてしまった。
ーーだからなぜ走らない!!!
また胸倉をひねり上げられた。しかし奴らは殴ってこなかった。
なぜなら僕は鉛筆を削るために買った100均のデザインナイフをそいつの顔面に向けていたからだ。美術部であることが初めて役に立った瞬間だった。
「僕も刺したくはないが君たちが乱暴をすると僕の右手が暴れちゃうかもしれないよ」そう言った。
ーー痛い。今思い出してみると僕は絶望的に痛いチー牛陰キャだった。
「お前!!警察言うぞ!!」今思うと妥当な発言だろう。
結局その日は暴言を吐かれながら返してもらった。
しかしこれを皮切りに僕の心の凪は吹きすさぶ夏風に凌辱されてゆくのだった。

55 :イッチ:2023/03/26(日) 20:45:39.07
その4

色々あった。勿論帰路は遠回りにはなるが奴らと出会いにくそうな道に変えた。
家がばれないように尾行もチェックした。
が、道で遭う度に暴言と足蹴。僕は逃げ足が速かったので大抵足蹴は最初の一発がすれ違いざまに当たるくらいだった。
しかし精神的にはかなりのダメージだった。休日も心が休まらなかった。
常にフードを深くかぶって背後を警戒していた。
家族に何をしているのかと聞かれると決まって僕はカゲプロのモモ見たいでカッコイイだろ、といった。
カゲプロの分からない家族は特殊性中二病患者の末期症状と理解してくれた。
そう、家族にできるのは表面上の理解だけだった。
もう学校で落ち着ける事は出来なくなった。常にヤツらの目を気にしていた。
昼ご飯は運動場で遊ぶガタイと声のデカい奴から見えないように女子自転車置き場の倉庫や教室にあるモニターの後ろでなんかで食事を済ました。
1年の教室と同じフロアに行かなければならない移動教室の美術・音楽では常に顔を伏せて友人の後ろに隠れていた。
今思うと当時から相当髪の長かった僕が目立たないように隠れるなど土台ムリな話だろう。
そして当時の僕は一体全体何を思っていたのか、武装にも力を入れた。

56 :イッチ:2023/03/26(日) 20:45:51.16
その5

学校にエアガンを持って行ったこともある。
コルトパイソンとM29とデリンジャーとベレッタのどれが携帯するのにいいかを真剣に考えた。
僕に触発されてエアガンを持ってきた結果、担任に見つかったf君には未だに申し訳ないと思っている。
(ルールとモラルを尊ぶ健全なガンマニにも本当に申し訳ない。)
f君がヘマを犯したことで問題も浮き彫りになった。
そう、デリンジャー以外の一般的なハンドガンは携帯するのには大きすぎるのだ。
(ルールとモラルを尊ぶ健全なガンマニアはエアガンを携帯なんてしない。)
結局f君との会議の結果デリンジャーが携帯するのに一番良いだろうという結論に達した。
しかしデリンジャーはいかんせん中学生には高価すぎるのだ。
当時から密林を使いこなしていた僕だがこれまでの購入品の最高額は英世3匹で
デリンジャーは諭吉1匹と樋口2匹を生贄にしなければ召喚できない代物だった。
そして僕は自分の中の1つの特殊解に辿り着いた。
そうだ、ないならつくればいいじゃないか!
試行錯誤の結果、出来た。というより出来てしまった。
この時の僕はこれが更なる不幸を招くとは思いもしなかった。

57 :イッチ:2023/03/26(日) 20:46:02.02
その6

先ずは100均で売っている火薬銃の弾薬を1つ1つ切り離したものを用意します。
そして(自主規制)
詳しいつくり方は記さないが、ボールペンをノックしたら雷管が大きな音とともに破裂しBB弾が飛んでいく、という仕組みだ。ーー良い子も悪い子も真似しちゃだめだぞ!!
初めて実験に成功したのは土砂降りの日だった。
視界も悪ければすぐ近くにいるfの声も雨音にかき消されてよく聞こえなかった。
僕とfは雨に火薬が濡れないように細心の注意を払いながら
t山の麓で恐る恐るペン型ソフトガンをノックした。
「パァン!」銃声が雨音を切り裂き銃口から真っ白いバイオBB弾が勢い良く飛び出した。
顔を見合わせ喚起する猿2匹。
パァン!!パァン!!夢中になって自前の超小型・対不良型BB弾を発射した。
(ルールとモラルと尊ぶ健全なガンマニアには本当に申し訳ない。)
そしてそれから約1週間後。
ついに磨いた技術の結晶を実戦で生かす時が来るのだった。

58 :イッチ:2023/03/26(日) 20:46:17.50
その7

放課後。
「アイツや!!」相も変わらず少ないボキャブラリを見せつけながら
声とガタイのデカい坊主頭6、7人が信号機を横断して僕のテリトリーに急接近してくる。
誰が誰なんてどうでもよかったしそもそも分からなかった。
重要なのはただ1つ、捕まらないことだ。
夏休みという彼らと鉢合わせずに日常を享受できた楽園が終末を告げた今、再び奴らに捕まると何をされるか分からない。
僕は、当たり前だが逃げた。
もう颯爽と歩く余裕がないことは実証済みだ。
正確には逃げた、というより逃げ込んだ、排水溝に。
当時の僕の心境を考えればこれは当然の理だった。
「アイツどこや!!」「どこいった!!」「こん中ちゃう!!」「おるぞ!!」
後ろから国語辞典1ページ分の語彙力もない2語文が飛んでくる。
そして、ーー「アイツ行くぞ!!」ーーまさかと思った。
アイツらが僕のテリトリー(即ち、人一人が屈みこんでやっと入れるような狭さの排水溝の中)に土足で侵入してきたのだ。

59 :イッチ:2023/03/26(日) 20:46:33.62
その8

僕は蜘蛛の巣をかき分け、口に入った蜘蛛を吐き出しながら暗いトンネルの中をがむしゃらに進んだ。
かがみ込みの姿勢だったので胸ポケットに刺していたペン型小型銃がつっかえた。
暫くがむしゃらに進んだところで奴らの拙い2語文は聞こえなくなった。
流石にあきらめたのかなと思い、狭いトンネルに打ちつけて赤くなっているであろう体の節々を不器用に撫でた。
触った感触では全身ぐじゅぐじゅしたヘドロだらけだった。
ーー「このトンネルが暗くて深くて冷たい雨水の溜まった穴にでも続いていたらどうしよう。
そこに落ちてしまったら当分助けも来ずに抜け出せないまま
ぶよぶよの水死体になってしまうのだろうか」そんなことを考えながら胸ポケットに入っているペン型銃を抜き、
何も見えない暗闇で愛銃のぼうっとした輪郭を見た。
その刹那、一瞬にしていろんなことが起こった。
ーー「アイツ、おるぞ!!」下品な声がトンネルで反射して下品さを5割増しにして僕の鼓膜と警鐘を打ち鳴らした。
「ッッバアアアン」(轟音)ーー「キーーーーーン」(耳鳴り)「ペチッ」(BB弾)「ッ痛ってぇ!!」(下品)
後方の闇をめがけてペンをノックした瞬間、鼓膜が破れるかと思った。
が、そんなことはお構いなしにがむしゃらに前へ前へと進んだ。
やっと排水溝のトンネルの前方に四角く縁どられた白い光が見えた。
出口は警察署の前のコンクリートの川の底に続いていた。
前日の雨が排水溝トンネルの出口に小さな水たまりを作っていてかなり青臭かった。
川底に生い茂るワカメのような地衣類を踏みしめながら川のヘリについている梯子をよじ登った。
地上ではそんなことは到底思わなかったのだがどうやらこの排水溝は地上の四車線の道路を斜めに貫通して道路の反対側に続いているらしかった。
警察署の前で警察に見つからないように細心の注意を払いながら暴漢から逃げた。
僕の愛銃は主人の命令を忠実に守り暴漢から主人を守ったのだった。
そのことがちょっと誇らしかったと同時にやはり報復が怖かった。
実際この後の報復は今思い出しても怖いものだった。

60 :イッチ:2023/03/26(日) 20:46:47.79
その9

ドロんこだったのでなるべく人道りの少ない道を採って帰った。
だから遅くなった。家の前にある庭の水やり用のシャワーで全身を洗って、
洗車用のボロボロの旅館タオルで水とヘドロをふき取れるだけふき取った。
ーー「僕くん!」声がした。背後にはhくんがいた。
僕はhくんの兄の友人として、hくんとはちょっとだけ喋ったことがあった。
学校を遅刻するときは大抵コイツと出くわす。(学年末に通知表を受け取って自分でも驚いたのだがどうやら僕は1年で62回遅刻をしていたらしかった。)
しかし別段、特に悪い印象も無ければいい印象も無いやつだった。
それにしても小学6年生に見合わずガタイのデカい奴だな。「どした?」
ーーーー「僕くん、下水道に逃げ込んだんだって?」一瞬にして僕は石になった。
なぜhくんがたった今更新したばかりの僕の黒歴史を知っている?墓場まで持っていこうとしていたのに。「どうしてーー」「hgくんが言ってた」hくんはそう答えた。
そうか、あん畜生のボスの名前はhgというのか。お前にしては贅沢な名前だな。
僕の心がハカを踊り始めたのをhくんは知る由もなかった。
ーー「ホント、かわいそうだね僕くん、あのクソやろには気をつけろよ」
それだけ言い残してhくんは去っていった。残された僕の石化魔法が解けるのはそれからおよそ10分後だった。
小学生に慰められる自分がふがいなかった。小学生に対して確かに安心感を感じてしまった自分が情けなかった。
中1相手にここまで精神を翻弄されている自分にやるせなさを感じた。
それ以上に何もしていない自分がこんな思いをしなければいけないことが、ひたすらに悔しかった。
hgを憎んだ。自分を憎んだ。

ーー翌日。「リーチマイケルや!!」僕のあだ名がリーチマイケルになっていた。

61 :イッチ:2023/03/26(日) 20:46:58.30
その10

当時はラグビーワールドカップが日本で開催されていた。
このことはラグビーがどんなスポーツかイメージすら出来なかった自分でも知っていた。
hくんによるとリーチマイケル、というのは僕が排水溝に逃げ込んだ姿が
リーチマイケル選手のようだったからついたあだ名らしかった。どこがだよ。幼稚な発想だな、hg。
そのあだ名は1年生の間で瞬く間に広まった、らしかった。
というのも当時気になっていた子が珍しく下校中に話しかけてくれた時だ。
「リーチマイケル!!」サッカー部から声がした。サッカー部は安全圏だと思っていた。
僕は、逃げた。
彼女の前でイジメられたくなかったし、もし彼女もイジメの対象になったら、
と思うと申し訳ないが逃げるしかなかった。
信号のない道路をクラクションを鳴らされながら全速力で横断して
ひたすら逃げた。その場の誰からものけ者にされている感じがした。
早くその場から消えてしまいたかったので持てる最大限の力を出力して全速力で逃げた。
あの時ダンプカーに引かれなかったのは幸運としか言いようがない。
敵は今や野球部のみならず1年生の運動部の男子ほぼ全員になっていた。
過激派のやつらは暴行をする。中立派のやつらは暴言を吐く。穏便派のやつらでさえ僕を見つけるなり「リーチマイケルや!!」
と大声で呼びやがる。そうすると中立派と過激派が群がってくるという仕組みだ。
自分で手を出さない分過激派よりたちが悪い。こんな日がしばらく続いた。
しかし、実をいうと最初の頃からーーデザインナイフをhg野郎の顔面に突き付けた翌日からーー
先生にはチクっていた。後で大事になるより早いうちから告訴して、
問題の芽は地面ごとはぎとっておいた方がいいと思っていたからだ。
流石に親には言えなかったが。しかし、教職員側は真面目に取り扱ってくれなかった。
だからもう一度控訴した。排水溝に追いまわされた実績付きで。
僕の不服申し立てが認可された翌日の昼休みのことだった。
「僕君。昼、用具室へ。」

62 :イッチ:2023/03/26(日) 20:47:12.39
その11

結局、真面目に取り扱ってくれたのは国語科の先生だった。
今でも相当感謝している。排水溝事件で節々が痛む体を狭い用具室に肩身の狭い思いをしながらねじこんだ。
僕の中学校は先生に関しては申し分なかったと思う。ありがたいことに優しい先生ばかりだった。
でも不思議なもので先生と話をしている時間は辛かった。正直イジメのことなんて話したくなかったからだ。
自分はあの時泣いていたのだろうか。結局先生が言うにはhg主犯は最初は犯行を否認していたが、
証拠がそろうにつれ犯行を是認して校長室に連行されたらしい。僕は火薬銃のことは「知らない」で通した。
デザインナイフの件は火薬銃と違い3人の前で見せびらかしてしまった手前、否認できなかった。
「そのことに関してはこちら側にも不備があったと思います。焦ってとんでもないことをしてしまいました。hg君にも誤っていただければ幸いです」
震える声でそういった。我ながら大人な対応じゃないか。
思えば僕が低俗なーー中指や暴言ーーを慎んだのもこの時からだ。あと、一人称が「僕」に変わったのもこの時からだった。
それにこの事件をきっかけに1年生の時に若干自分がイジメに加担してしまっていたt君にも僕はちゃんと面と向かって誤りに行った記憶がある。
こういう辛い経験を超えることで人間は成長するのかな。しらんけど。
チャイムが鳴ったことは全然感じなかったが用具室を出たときには既に教室から授業の声がしていた。
まだ夏のにおいが残る青い秋空を眺めながら僕はこれまでの戦いの日々を振り返った。
振り返ると同時にまた泣きそうになった。情けない。
快勝とはいえないがこれで針山にまち針を差し込むような緊張感と不安感と突如迫りくる緊迫感から永遠に解放されるのだと思うと心地よい爽快感を感じた。
次の授業くらいはトイレで時間を潰してサボろう。顔が整ったら何食わぬ顔で教室に戻ればいい。
まだ生ぬるい秋風が僕の長い前髪を少しだけ揺らしてみせた。

しかし、その後不良と化したhくんに詰められるのはまた別のお話。

63 :イッチ:2023/03/26(日) 21:08:48.67
余談

その1
結局あの後hgは大人しくなった。
校長室で相当キツイこと言われたんだろうな。
でもhくんは入学後に群れずに単独で不良やりまくった結果
(ちょっとだけカッコいい)別の学校に移された。

その2
例の気になってた子(tさん)に関して。
席替えでtさんの席が自分の前になったことをきっかけに仲良くなった。
その時にいろんなことを話してくれた。家族への愚痴(父親とは結構仲が悪いらしい)
好きな漫画のこと、アニメのことなどなど。
あとtさんは本気でアイドルを目指していることを語ってくれた。
実際、アニメのキャラみたいに可愛くて整った顔立ちだった。
でも意外と中身は結構オタクで簡単に意気投合できた。
わりかしマジで告白できるんじゃないかって思ってた。
しかしある日を境にtさんは学校に来なくなった。
先生が教えてくれたんだけどtさんの母親が亡くなったらしい。
tさんの母親は昨日まで元気だったのに心臓発作で急に倒れて
救急車の中では既に亡くなってたそうだ。
tさんとは何も言わないままのお別れになった。
会う方法もなかったし、そもそも家知らんし。
ライン持ってないことがカッコいいと思ってラインアプリ消してたからライン持ってなかったし。(本気で後悔してる)
tさんは3年に上がるときには学校から消えてた。
僕と同じ学校に進学した旧友にもtさんの現状について聞き込み調査したけど何の情報もつかめてない。
今でも会えてない。ってか今さら会うのもお門違いか。
で、tさんの失踪から6か月ほどたった中3の9月。別の子を好きになりかけた。
早々に別の子を好きになった罰なんだろうか、その子も家庭崩壊してぐれた。
好きにならなくてよかったと思った。

総レス数 63
34 KB
掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50
read.cgi ver.24052200